2021.01.11

EdTechソリューションの導入|失敗しないため3つのポイント

昨今は企業における様々な領域にITツールが普及していますが、社員教育もまた同様にITツール(EdTech)の普及が進みつつあります。

しかし、ITツールは課題解決の手段であるにもかかわらず、せっかく費用と時間をかけて導入しても現場での協力が得られず形骸化してしまい、導入すること自体が目的となってしまうといったことが少なくありません。

私たちEdu研は数多くの企業に対してEdTechソリューションの導入を支援して参りしましたが、導入時にはいくつかの共通する注意事項があることがわかりました。
その中でもこれさえ押さえておけばまず失敗しないというポイントは以下の3つです。

・目的に対して正しい手段かを明らかにする
・現場に生じる変化を事前に整理しておく
・EdTechソリューションの導入を周知して協力を得る

この記事では、これらについて一つずつ詳しく説明していきます。

1.EdTechソリューションの導入目的を深掘りする

目的に対する手段を決める上で重要なことは、課題の本質を突き止め、課題解決の手段として活用できるかどうかを考えることです。

実際に、「コミュニケーションの活性化」を目的に社内SNSの導入をした企業の失敗例をご紹介します。

この企業では、近年のコロナ禍の影響でリモートワークを急ピッチで推進した弊害として、従業員間のコミュニケーション不足を問題視していました。
特に、研修を完全オンライン化したことでコミュニケーション機会が少なくなったことが大きな原因の一つと考えていました。

そこで、コミュニケーションの活性化を目的として、ここ最近で普及しつつある社内SNSツールの導入を決めました。

しかし、導入後に機能や使い方を十分に説明した上で利用を促しても、社内SNS上で活発にコミュニケーションが行われることはありませんでした。そして時間が立つに連れて導入したツールの存在すら忘れられてしまいます。

目的を達成できず失敗してしまった理由はどこにあるのでしょうか?
それは、手段である社内SNSの導入が課題の本質的な解決につながっていないことにあります。

この企業の場合、後に意識調査を通じて判明したことですが、コミュニケーション不足の背景には部下から上司へのマネジメント能力不足に対する不満がありました。

導入目的をもう少し深堀りして考えていれば、「マネジメントをサポートするためにアクション管理システムを導入する」といった別の手段で社内コミュニケーションの改善を目指した可能性もあります。

導入目的を深掘りするとは、単に目的を決めるということではなく、根本部分にある組織課題の解決を目的に設定することです。これは導入前に時間をかけて考えるべき大事なポイントの一つになります。

2.現場に生じる変化を事前に整理しておく

EdTechソリューションは教育に関係するツールのため、人事部門が主導で導入を進めることが多いですが、導入するにあたっての現場の負荷を考えることが求められます。

現場の負荷とは、大きく以下の2つに分けることができます。

・新しいツールの操作に慣れるための負荷
・ツール導入に伴う業務プロセスの変更による負荷

まず、ツールの操作に慣れるための負荷についてですが、新規で導入する場合、新たにやらなければならないことや、覚えることが増えることは通常業務を行いながら学習しなければいけないため、ストレスがかかり、現場社員の不満要因になり得ます。

不満を募らせないための基本的なこととしては、導入担当者がツールの機能や使い方について事前にしっかりと把握することが重要です。現場から問い合わせがあった場合はスムーズかつ分かりやすい回答が求められます。

その上で、現場に共有する運用マニュアルの整備や、ツール提供元から渡されるマニュアルとは別に、利用者がやるべきことなどの運用ルールを整備しておくことをおすすめします。

特に重要なポイントとしては、「この3つのアクションさえ行えば大丈夫です」といった形で要約された資料にすることです。
ツール自体の分厚い説明書を渡されただけでは、現場の負荷はたいして減りません。自社の業務に沿う形で要約して伝えて初めて、相手の負荷を減らすことができます。

次に業務プロセスの変更による負荷についてです。こちらも同様に現場では変更点を覚えて適応しなければならないストレスがかかります。

それに加えて、今までのやり方が変わることに対する不安が生じる可能性があることにも注意が必要です。

例えば、ある企業が研修のオンライン化と研修メニューの充実を目的に、社員が自ら選択して動画講義を受けられるeラーニングシステムを導入しました。

この企業では、それまで研修は全員共通の集合研修のみで、上司からのフィードバックは研修当日に与えられる課題に対してのみ行われていました。

そのため社員にとって研修は、決められた講義に参加して課題を提出すればいいものという認識でした。

しかし、eラーニングシステムが導入されて自由に講義を受けていいということになり、実際にシステムを利用する社員としては様々な不安や疑問が生じてきます。

「講義はたくさん受けた方がいいのか?」
「どういった講義を受けた方がいいのか?」
「業務時間内にやるとなると、仕事の進捗に遅れが出てしまうのではないか?」

さらに厄介なことに、この会社ではシステムを導入したことによる不満が人事部には伝わってこなかったため、対応が遅れてしまいました。

このように研修や業務のプロセスが変わることによって生じる疑問や不安を放置しない、または抱かせないためにも、事前に想定してQ&Aや運用方針を明文化し、不明な点があった際の窓口を事前に設置しておくことをおすすめします。

3.EdTechソリューションの導入を周知して協力を得る

これまでにお伝えしてきた目的や運用方針、活用方法を周知して現場の協力を得ることが、EdTechソリューションの導入に失敗しないための3つめのポイントとなります。

業務プロセスの変更や新しい作業の発生に伴って生じる負荷や不満を削減するには、Q&A対応や運用方法の説明だけでは不十分です。現場で新しいツールを前向きに活用してもらうためには導入目的の周知と合意を得ることが求められます。

ツールの導入は会社や組織の課題解決を目的としていますが、それだけでなく利用者が自分のためにも役に立つと感じてもらえるような周知の仕方ができるとより合意と協力を得やすくなります。

加えて、ツール利用者本人の合意を得ても、その上司の合意を得ていなければうまく機能しないことがあるということも注意すべきポイントとなります。

これは先ほどのeラーニングシステムの例にも当てはまります。

実際に受講する社員がやる気になっていても、例えばその上司が「部下に不定期で研修を受けられると業務に支障が出そうで不安だからeラーニングシステムの導入には反対」といった否定的な考えのままでは、当然その上司からの協力は得られず、受講する社員も取り組みづらくなり受講が進みません。

この場合、人事担当者が事前に受講者の上司と相談した上で受講のタイミングについてルールを設定するといった対応をしておくことで解決できることがあります。

人を動かすには、「何をしてほしいか」を伝えることとあわせて、相手に行動のモチベーションを与えることが重要です。マニュアルを整備するところまでは多くの企業で行いますが、受講者やその上司へ適切にモチベートできている会社はあまり多くありません。

具体的な方法として例えば、導入に関する早いタイミングから相手の意見を聞くというのは有効な手段の一つになります。導入に向けた企画書(作成に関する詳細はこちらの記事を参照)を持って、それとなく意見を聞いてみるというのも一つの手です。

渋る人には、渋る理由をとことん掘り下げて聞いてみてください。その理由を明確にし、解決する糸口を見つけられていれば、システム導入後も円滑なコミュニケーションがとれ現場からの協力度合いも大きく変わってくるはずです。

以上がEdTechソリューションの導入に失敗しないための3つのポイントです。

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